認知症患者さんと選挙
こんにちは。スマスマ岩井です。
先月は統一地方選挙が行われました。
スマスマ家の両親は、私が幼いころから選挙には必ず投票に行く家でした。
幼い私は、投票所から出てくる両親に
「誰の名前を書いたの?」
と聞くと
「それは、誰にも言ってはいけないの」
そんな両親に育てられた私は、選挙は必ず投票するものだと教育されました。
ところが今回、認知症の母は「誰に投票するのか、とっさにわからない」という問題と
「字がさらさらと書けない」この二点が大問題となりました。
前回はどうしたのかな?と思い出すと、ギリギリ字も書けたし、セーフな状態だったと思われます。
そこで思い出したのが「代理投票制度」です。皆さんご存知ですか?
総務省の選挙のページにはこうあります。
「代理投票は、投票用紙に文字を記入できない選挙人のための制度です。投票管理者に申請すると、補助者2名が定められ、その一人が選挙人の指示に従って投票用紙に記入し、もう一人が、指示どおりかどうか確認します。」
念のため、市役所の選挙管理委員会にも電話で確認すると
「投票所に行って、名簿の中から指をさして投票の確認が取れれば代理人が明記する」
「もしくは、自宅で投票したい人の名前を書いて持ってくれば確認できる」
そう言われました。
要するに、字が書けなくても「自分の意志」を確認してもらえれば、投票ができると。
ただ、うちの母などは、字が読めなくなりつつあるので、大勢の名前が書かれた中から
「この人」と指をさすことは難しい。
念のため、自宅で候補者の名前を、何度も失敗しながらも紙に書いて持参しました。
投票管理者の人に「字が読めない、書けない」旨を説明して、自宅から候補者の名前を書いてきたと伝えました。
その投票管理者さんは、きちんと理解してくださり、
「ちゃんと投票できました」と、帰り際に言ってくださいました。
投票成功です。
ただ、Twitterで、同じように挑戦された人の中で
「確認ができませんでした」と、投票ができなかった人など、いらっしゃいました。
中には、選挙公報の投票したい人の部分を切り抜きして持って行っても、だめだったそうです。
これは、各市町村で違いが出ているのだと思いました。
選挙管理委員会の人が、いかに「認知症」を理解してくれているか。
「指をさして選ぶことができない」と言うと「ひらがなですけど?」そう言われました。
そうなんですよ。ひらがなだって読めなくなるんです。
認知症を知らない人だったら、きっと想像もできないのでしょう。
認知症になったら、選挙権はなくなるの?
難しい問題です。
投票所から出て「ちゃんと〇〇さんって投票できた?」
と母に聞くと
「そんなの、言えないわよ」
ですって。
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